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ベトナム:スマート農業の進展でメロンの収量向上を実現

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スマート農業の進展によりメロンの収量が向上

ベトナムのハイテク農業パーク(Agricultural High-tech Park,通称AHTP)において、2015年12月からスタートした面積1000平方メートルのメロン栽培自動制御システムが順調だ。

IT企業Global CyberSoft Vietnam(GCS)のCEOであるゴ・ヴァン・トアン氏によると、昔はビニールハウスにおける温度と湿度の管理や光量の管理は、農家の経験に依存していたという。しかし、今ではビニールハウスに設置されたチップセンサーによって自動的にデータ化されていることに加え、自動制御システムにより作物にとって最適な環境を整えることができているようだ。
最近では、2トン以上のメロンが6千万ベトナムドン(日本円で約27万円)で売れた。AHTPの代表は「慣行の栽培方法に比べ、品質が上がったことに加えて、面積当たり収量が10%も上がった」と語る。

このメロンの栽培制御技術は、GCSとAHTPが役員に名を連ねるクアンチュンソフトウェアシティの共同プロジェクトの一部に過ぎない。このプロジェクトの最初のコンテンツがスマート農業であり、農家の収支予測や、温湿度・光・PH管理による栽培環境の標準化を可能にした。

スマート農業は品質と生産性の分析や評価ができるうえ、農家だけでなく流通業者・バイヤーにとっても情報や経験を互いに交換し合うシステムとして利用することもできる。

ベトナムにおけるスマート農業の隆盛

その他の多くの技術系企業も農業生産に関するITソリューションを発表している。例えば、携帯電話会社である「VinaPhone」はM2M(マシーン・トゥ・マシーン)技術を用いて、天候やその他の指標の見える化を行うことで、作物の感染症予防を支援している。また、ベトナムの異なる地域や世界中の農産物市場価格情報をリアルタイムでスマートフォンに提供している。

大手通信事業者である「MobiFone」は、「Nong Thon Xanh(ベトナムの農業情報サービス)」や、ベトナム軍隊通信グループ(Viettel Group=ベトテル)が展開する農家向け農業情報サービス「Agri.ONE」を提供している。

ベトナム国内最大手IT企業であるFPTは、食・農クラウド「Akisai(秋彩)」を展開する富士通とスマート農業の分野で協業しており、農場生産から流通・消費までの垂直統合を見据えたトマト施設栽培や低カリウムレタスの植物工場栽培を始めた(過去記事参照)。FPTによると、通常の5分の1にカリウムが抑えられたレタスは甘く、腎臓病患者やダイエットをする人にぴったりだという。また、無農薬で作られたレタスは、洗わずに食べることができ、トマトもまた通常の3倍以上リコピンを多く含み、抗酸化作用がある。

 

参考:http://english.vietnamnet.vn/fms/science-it/159401/smart-agriculture-produces-high-melon-yield.html

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