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Google Campasを参考にした農業スタートアップ施設Farm491

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Editors Note: This article was originally published on AgFunderNews, the online publication of AgFunder an investment platform for food and agriculture technology.


 

イギリスには数多くの農業関連のテクノロジーが存在し、さらに現在も研究が進んでいる。イギリスは100年以上にわたって、農業に関する国際的な研究の言わば”ハブ”としての存在だった。

政府も近年、こういった動きをUK Strategy for Agricultural Technologiesという国家戦略でサポートしている。この戦略の様々な取り組みが現在勢いを増していて、AgriMetricsといった産業向けのビッグデータセンターや、今年の初めにはRothamsted Centre for Research and Enterprise (RoCRE)がオープンし、研究者にとってのイノベーションのスペースやハブとなっている。ローサムステッドとはイギリス・ハートフォージャーに1843年に設立された世界初の農業試験場だ。

しかしながら、やはり研究段階からビジネスの段階になると、つまり商業用の技術となると、そこにはギャップが生じてしまうものだ。またイギリスはアメリカに比べて農業分野においてはアクセラレーターやインキュベーターが少ない事も、テクノロジーをビジネスに活かしきれていない事が想像できる。

そこでイギリスは新たな取り組みとして、Farm491をスタートした。これはイギリス・グロスタシャーの田舎町にスタートアップ施設をイギリスで初めて設立し、ビジネスとテクノロジーのギャップを埋めることを目的としている。またFarm491はRoyal Agricultural University(RAU)に併設されている。

モデルはロンドンのGoogle Campusだ。Google CampusとはGoogleが起業家向けに提供しているコワーキングスペースのことで、現在はロンドンとイスラエルのデルアビブにある。Farm491では2つの施設を提供する。1つ目は現在建設中のRAUのキャンパス、もう1つはキャンパスから6マイル離れた場所にある農地ベースのイノベーションセンターだ。どちらの施設も来年10月には完成予定だ。

Farm491のメンバーとなるスタートアップはRAUからのサポートを受けることができ、農業に関するデータや研究、機器、その他リソースを利用することが可能になる。また大学教授や農家、起業家、投資家などからアドバイスを受けることも可能になる。農業従事者と農地へのアクセスは、発展を続ける農業テクノロジーのスタートアップにとっては特に重要だ。アメリカでは農業コミュニティーとの関係性が不十分だったがために失敗してしまった企業も多いのだ。

この施設の担当者Nick Holyoake氏は、単に場所を提供するだけでなく、農業のコミュニティーやそのコミュニティーや大学での経験を提供し、アグリテックのエコシステムの場としたいと話している。

この施設に興味を示す人物は2つのタイプがある。1つはテクノロジーの知識を持っていて農業にイノベーションを起こしたいと思っているが、農業の知識に乏しい人たち。もう一方は、農業の課題を解決したいと思っている農業サイドの人間だ。彼らは課題を解決できるプログラミングのような知識がないのだ。Farm491はそういった人たちの言わばマッチングの場として期待される。

 

Link:https://agfundernews.com/google-campus-inspires-uks-first-agtech-startup-facility-farm4915131.html

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