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Q&A: なぜ”Future Food Asia Award”はアジアのフードテック発展の第一歩となるのか?

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This article was originally published on AgFunderNews, the online publication of AgFunder an investment platform for food and agriculture technology.


来たる2017年5月、アジアで初のアグリテック・フードテック関連ベンチャー企業によるコンテストがシンガポールにて開かれる。The Future Food Asia Award (FFAA)という名前であるこのコンテストは、ID Capitalというコンサルティングファームによって主導されており、最低10万ドルの立上げ資金を有するスタートアップ企業からの応募が受け付けられている。

食品業界を取り巻く”ビジネスエコシステム”に対して、革新的・持続可能なテクノロジーを用いてポジティブな変革をもたらす強い意志を持っていることが、応募企業には絶対条件となる。

主催者であるIsabelle Decitre氏に、彼女がFFAAというイベントを立ち上げた動機と、なぜそれがアジアである必要があったのか、話を伺った。

Q:なぜFuture Food Asia Awardを始めようと思われたのですか?

シンガポールに生活の拠点を移したとき、これから変革を遂げようとしているニッチな投資先を探していました。いろいろな業界を調査した中で、アグリテックの分野が突如候補に上がりました。その後アグリテックを選ぶまでは早かったです。私は何年間もWines and Spiritsという会社で働いてきたので、関連業界の出身でした。また、リサーチを進めると、アグリテックとフードテックこそが今後20年間で大変革を必要とする産業で、テクノロジーがそれを実現する最高のツールだということが分かり、迷いなくこの分野を選ぶことができました。

アジア太平洋地域は世界の人口の60%が住む地域です。しかしながら現時点では、この広くて散らばった地域には、スタートアップ主体でイノベーションを起こすための確立された”エコシステム”が存在していないのが事実です。アグリテックの分野はまだ発展の初期段階にあるので、ここで私たちがインパクトを求めようとなると、アジア全域に目を向ける必要があるのです。

この分野での変革に参画することに前向きな多国籍企業やインパクト投資家、その他様々なステークホルダーが増加していることを感じた結果、Future Food Asiaというプラットフォームを作るアイデアに至りました。目標はスタートアップが活用できるリソースを皆で共有可能にすること、及びこの食品・農業を取り巻く”エコシステム”の成長を加速させることにあります。そして、この分野の飛躍的な成長を実現するために、このFuture Food Asia Awardというアジアで前例のないタイプのコンテストを始める決断をしたのです。

 

Q:コンテストの勝者にはどんな機会が与えられるのでしょうか?

このコンテストでは、勝者は10万ドルの現金が授与されます。すべてのファイナリストはシンガポールに招待されて、選りすぐりの投資家や戦略的パートナー、専門家、同じ志の起業家達の前でピッチの機会が与えられます。

 

Q: どのような評価をスタートアップ側・投資家側からもらっていますか?

双方からとても好意的なレスポンスをいただいています。スタートアップ側からすると、今回はアジア全体に瞬時にビジネスチャンスを広げることができるという、自分たちが関わる市場からでは非常に難しい機会を手にすることができます。1日半という時間で、関連する産業のプレイヤーや投資家達と知り合うことができる点で、イベントの効率の良さを評価してくれています。それだけにとどまらず、我々が彼らスタートアップの方々が、世間にさらされる機会をこれからも作っていく予定であることまで理解してくださっています。

投資家の方々からも同じように、効率よく地域全体の産業の動きを理解し投資活動の決定が出来る点で評価をいただいています。今回の5月のシンガポールでのイベント以外の場面でも、スタートアップや個人事業家はより大きなコミュニティーに属する熱意があるので、私たちは定期的にそのコミュニケーションのサポートもしています。

 

Q: 協賛パートナーとしてはどんな方が参加していて、どのような役割を担われてるんでしょうか?

シンガポール経済開発庁(EDB)は初期段階からFFAAのサポートをしてくれていました。この私たちのオープンイノベーションのプラットフォームは、シンガポールを企業間のコラボレーションを促すことで価値創造の中心地にしようというEDBの方針と一直線上に並ぶものです。積極的にこのプラットフォームの宣伝を国外企業向けにしてくれています。

EDBに加えて、産業界の各種プレイヤーや専門機関が協賛をしてくれています。一番の例はArcher Daniels Midland(ADM)でしょう。FFAAのリードスポンサーとして参加しています。もし参加するスタートアップ企業との間に共通の利益があれば、ADMもいろいろな形で投資をしたりパートナーシップを築いたりすることができます。食品・アグリテック産業で更なるイノベーションを作り出し得る互恵的な関係性を見つけ発展させることを彼らは目標にしています。

 

Q: アジアのアグリテックベンチャー企業を募集している初期の段階で、何か目立つイノベーションの傾向はありましたか?

既に14カ国から応募を受けており、アジア全体からFFAAへの興味関心があることは疑えません。現時点で断言するのはまだ早いですが、どこか特定の国からの応募が多いということがないという点では、Future Food Asiaのモデルは間違っていないだろうと思います。

ここまでの傾向に関して言うと、水産養殖業に関連したイノベーションの割合が目立つことに気がつきました。実際、アジア地域で水産養殖業のセクターが重要であるという理由は沢山あります。他方で、注目に値する新しいことは、普段ならどちらかというと伝統的と考えられている産業において、スマートで巧みなイノベーションが出てきているということです。

 

Q: 食品・アグリテックの分野において、アジアのスタートアップが使えるリソースは十分に存在するのでしょうか?

いえ、現時点ではありません。ベンチャーキャピタルがニッチ市場へ投資を始めたのはかなり最近のものであり、数年前にようやくアメリカで著しい発展を始めた事象です。ここアジアではまだまだ発現したてのものです。そこにFFAAの狙いの一つ、つまりアジアでの”エコシステム構築”のサポート、があります。ベンチャー投資家やヘッドハンター、ベンチャーキャピタル等が取り巻いてきたベンチャー企業を巡る”エコシステム”は、今後地域全体での発展が求められます。そしてそこでの各プレイヤーはもっと地域レベルで求人を出せる能力が必要である上に、各地域の特殊な需要に応える必要があると思います。アジアでのフードテック・アグリテックの市場規模や目の前に立ちはだかる壁の存在を考えると、それらのことは少しずつでも実現されてくると私たちは確信しています。そして、アジア地域における金融の中心地であるシンガポールは、この”エコシステム”の発展を押し進めるのに打ってつけの場所だと思っています。

 

Q: ID Capitalさんの今後のプランを教えていただけますか?

まず最初のステップはFFAAを成功させ、そしてそれをアジアという地域において、”エコシステム”の構成員が集う主要な場所に変えていくことです。そうすることができれば、我々も含めてパートナー達が地域の投資傾向をより理解することにつながります。次に考えられるステップは、アクセラレータープログラムを立ち上げて、大手企業との協業を促進することでしょう。既にいくつかの産業界から、この第2段階で我々と協働することへ関心を示している会社があります。

 

link:https://agfundernews.com/qa-setting-future-food-asia-award-first-step-developing-asias-agritech-ecosystem.html

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