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コメとパーム油農業の拡大に伴う、マングローブ林伐採の問題

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商品作物への転作のために、東南アジアのマングローブ林伐採の問題が深刻になってきた。

マングローブ林の伐採が依然より少なくはなってきているが、ミャンマーのコメ農業の急速な拡大とマレーシアやインドネシアのアブラヤシ(パーム油の原料)への転作は、マングローブ生態に対して問題を引き起こしている。これらの評決は、科学アカデミー(Proceedings of the National Academy of Sciences)で発表された。

東南アジアのマングローブには様々な種類がある。そして、マングローブ林は何百万人もの人々に対して多様なエコシステムサービスを提供している。稚魚の生息地をもたらすことによって漁場を強化し、嵐と洪水から沿岸の保護をする。また世界的に見た他の生態系に比べても、マングローブ林は高濃度の二酸化炭素を吸収し、世界的な気象変動を和らげる役割を果たしている。

これらの価値があるにもかかわらず、グローバルな商品作物需要に応えるべく、東南アジアのマングローブ林はここ数十年で広範囲にわたって伐採が進められてきた。人口が増加し、世界が豊かにになることで、この現象は継続されるであろう。

シンガポール国立大学(NUS)地理学部の准教授Daniel Friess氏とDaniel Rechards博士は、2000-2012 年に東南アジアでマングローブ林伐採の原因を調べる研究を終えた。

「東南アジアのマングローブ林の転作を体系的に測量し、過去10年に渡るマングローブ林伐採のキードライバーを明らかにするのは初めての研究だ。得られるデータはマングローブ林伐採の動きをスローダウンさせる潜在的な指標を示す一方で、東南アジアでのマングローブ林が減少していることは未だに続いていることだと認識することが重要。これはマングローブ種の多様性への悪影響に終わるだけでなく、マングローブ林が提供する二酸化炭素貯蓄のようなエコシステムサービスにも問題が生じる。」とFriess准教授は語った。

東南アジアのマングローブの約 2 パーセントとなる10万ヘクタールが、2000年から 2012年の間に伐採されていたと研究チームは発見した。さらに同地域で水産養殖業の拡大がマングローブ林伐採につながっていることがわかった。研究者らは、コメやアブラヤシなどの他の作物のためにマングローブ林を農地に転換していることがわかった。

原因と転作する作物は国によって異なるが、それぞれの国の国家経済政策が影響を及ぼしていた。 例えばミャンマーでは、コメ生産は国家の食料供給安定のために重要なものと認知されている。インドネシアやマレーシア、タイでのパーム油生産は国の経済を強化しエネルギーの安全保障を改善することから推進されている。

ミャンマーのコメ農業拡大と、マレーシアやインドネシアで広がるマングローブ林からアブラヤシ農業への転換は、近い将来東南アジアのマングローブ生態系の危険を意味するのかもしれない。

この研究は、対象期間におけるミャンマーでのコメ農業拡大は、東南アジアのマングローブ林転換の5分の1以上を占めたことを明らかにした。そして環境保全が実施されなければ、これらの傾向は急速な経済変化とともに継続しそうである。

現在アブラヤシのプランテーション開発は、マレーシアやインドネシアですでに森林や泥炭湿地の破壊の原因になっており、ヘイズ(※)のような地域の問題へと発展している。今後数年の間に着実にインドネシアのパーム油生産量は増加すると予想され、パーム油生産は特にパプア州(ニューギニア諸島の西半分のインドネシア領)のような国境域のマングローブ林に対して大きな脅威をもたらしそうだ。「我々の研究は、マングローブ林の根拠に基づく保護のための詳細な情報を提供する。 将来の研究と方針は、国家と地域レベルで、マングローブ林伐採の原因の考慮をしなければならない」とRechard氏は語った。

※ヘイズの説明に関してはこちらをご覧下さい

 

参考:http://www.asianscientist.com/2016/01/in-the-lab/mangrove-deforestation-driven-rice-palm-oil-agriculture/

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