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Shojinmeat Project 羽生雄毅さん:まるでSF⁈ 培養肉の研究で持続可能な食糧生産を目指す

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Shojinmeat Project

「細胞農業」の概念を確立して技術的、経済的検討の土台を作ると同時に実際に培養肉を作る技術開発プロジェクト。培養肉の大量生産による、持続的で安定的な食糧生産と豊かな食文化の維持をゴールに設定し、現在代表の羽生雄毅さんを中心に有志メンバーで研究開発に励んでいる。

代表 羽生雄毅さん

【出身や学歴・職歴、専攻、趣味などテンプレートでも構いませんので羽生さんのプロフィールをお書きいただきたいです】
2010年、オックスフォード大学、Ph.D (化学)卒業、東北大学、東芝研究開発センターを経て、細胞農業による純肉生産のビジョンの実現するため、2014.年に有志団体”Shojinmeat Project”を設立。2015年10月、化学とシステム工学の知見をもとに細胞培養液およびこれを用いたシステムを開発し、”Shojinmeat Project”の産業化部門としてインテグリカルチャー(株)を設立。
神奈川県出身、1985年生、趣味:ネット文化とCG、著書:https://www.amazon.co.jp/dp/4062729210

培養肉とは

右:赤い液体の先端に見える白い塊が肉(ネズミ)の塊。 左:白く濁って見えるのが細胞

生きている動物から幹細胞と呼ばれる様々な細胞に分化することのできる細胞を抽出し、人工的に増殖させて作る食用肉。組織工学に基づく研究から生まれた技術で、「試験管ミート」「ラボ産の肉」「純肉」などとも呼ばれている。このような細胞を材用して必要な部位のみを成長させる技術は、次世代の農業技術「細胞農業」として注目されている。

Shojinmeat Projectを始められたきっかけは?

端的にいうと私の趣味です。もともとSFが好きで、SFの世界を実現できる科学に挑んでいるんです。まず培養肉で始めましたが、成功すれば次は宇宙船を作っているかもしれないですね。

一人で始めた研究だったのですか?

やりたいと考えていたのは一人でしたが、研究を始めるにあたって仲間を探して、元CTOに出会ってスタートしました。

培養肉のことはどのくらい前から考えていたんですか?

培養肉自体は8歳頃から知っていました。アニメで出てくるので。その後高校生の頃やっていたゲームの世界に高層植物工場ビルを作ったりとかその頃から今の研究に関連することをやっていましたね。

今プロジェクトのメンバーは何名くらいいらっしゃるんですか?

現在30名ほどですが、それぞれの興味や専門性を活かして異なった活動をしています。コミットメントの程度も人によって様々です。メンバーはそれぞれ自分に「#タグ」をつけて独自に活動し、チーム全体としては「分散クラスタモデル」で活動しています。私は#研究 #培養液といったタグで活動していますが、#経済/社会であったり#生命倫理であったり、チームは本当に様々な方向で活動しています。

プロジェクトの一番の課題は何ですか?

一言で「価格」ですね。2013年、200gで2800万円の純肉ハンバーグが発表されました。技術的には作れるんですけど値段が高すぎるんです。細胞培養のコストが原因です。これまでの細胞培養は医療用に「極少量・超精鋭」で研究されてきたのですが、私たちは産業用に「大規模・普及用」に研究開発を進め、低価格化に取り組んでいます。

実際“2800万”を産業用になるほど低価格化することはできるんですか?

できます。ただいろいろ考え直さなければいけない点はあります。低価格化のために考え直す必要があるのは培養液、培養方法、運用の3点です。
まず培養液ですが、今までの培養液ですと細胞100gにつき300万円のコストがかかっていました。それをビール酵母などの食品残渣やスポーツドリンクで代用して現在2万円前後までコストを落とすことができています。
次に培養方法ですが、今の方法では培養皿の底に細胞一層分しか作れないためコスト高でした。その結果でできたのがあの2800万円のハンバーグです。これをより効率よく、浮遊培養や細胞足場といった「3次元培養」に変えることで、コスト削減に加え、肉の食感も再現できるようになるのです。
最後の低価格化に向けた要素が、運用です。現時点では食糧生産には全くの規模不足でこれからはプラントスケールでの検討が必要になります。現在私たちもパイロットプラントを作ろうと計画中です。

かなり現実化してきているんですね。このプロジェクトのゴールはどこなのでしょうか?

「火星に食料工場を作る」ことです。未来は、細胞農業によって、もう無駄な殺生も環境破壊も必要なくなるようになると思います。

多くの人にとって夢のような未来を、羽生さんは現実の未来として見ているのですね。

そうですが、この未来の実現には法整備だとか倫理観の問題だとかがありますが、議論の出発点となる技術的な全体像もまだ見えていません。なので私たちは今のところ、“まずは技術開発”と考えて研究をしています。


Shojinmeat Projectは今年2月に開催された、シンギュラリティ大学主催 グローバルインパクトチャレンジで優勝したことを受けて、今年6月、シリコンバレーで行われる社会課題のソリューションをテーマとした約10週間の短期集中起業カリキュラムに日本人として初めて参加する。

羽生さんのお話をもっと深く聞きたい人は
○AG/SUM(5/25 9:30-)のシンポジウム「フードテックの衝撃」
https://www.agsum.jp/
Shojinmeat Projectに関わりたい人は
○クラウドファンディングによってプロジェクトを応援
https://camp-fire.jp/projects/view/20537
○プロジェクトメンバー募集中
https://www.shojinmeat.com/

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