農業生産者と販売者の協力関係が生み出すAgTechの発展
Editors Note: This article was originally published on AgFunderNews, the online publication of AgFunder an investment platform for food and agriculture technology.
生産者団体とアグリビジネスは効果的な農業テクノロジー(AgTech)の開発を確実にするために、産業内で協力を呼びかけた。
サンディエゴで開催されたロボユニバースイベントで、アメリカでベリー類の生産・販売を行うDriscoll’s社をはじめとした生産法人の代表者らがディスカッションを行った。その中で「協力し合う」という事は、起業家たちが必要とするテクノロジーを生み出すのを援助する手段であるとの考えを検討した。
協力を呼びかけるきっかけは、多くの生産者たちがスタートアップの開発する技術、特にデータ提供する技術に関して懐疑的であることなのだと、モデレーターを務めた農業データのスタートアップFood Originsの創設者・Nathan Dorn氏はAgFunderに話した。
Driscoll’sでグローバルビジネスプランニングを担当するLászló Csuti氏は、ステークホルダーの間の協力体制は、農家の課題を解決するために起業家が必要とするアドバイスやツールを提供することを目標としている。またこの考えは、農家がよりAgTechの発展に関わるよう試みる様々な機関の後押しにもなる。ロボユニバースイベントのスポンサーであるDriscoll’sは自らの会社を、特にベリー類に関しては最先端を走っていると自負している。最近ではAgTechの発展において活躍するプレイヤーになりつつあるという。Driscoll’sは生産者ネットワークと一緖にAgTechの開発に同社のアプローチと役割を、数ヶ月にわたる長期的な戦略計画に着手しようとしている。
「AgTech産業がテクノロジーのベンチャーキャピタルに資金提供を頼ることは、間違いだ。技術は時間の割が合わず、おそらく私達が必要としている所には至らない。しかし、AgTechのスタートアップの潜在的かつ戦略的なスポンサーに関しては他の産業とは異なり、そのような事にお金や能力をつぎ込む余裕のある農業会社の数は少ない。農業は非常に断片的ですので、生産者とテクノロジー産業が高いレベルで共同で働き始める事はとても大切のこと。そうすれば競合しうる可能性もあるのだ。」とCsuti氏は話していた。「何が正しい形なのかそして、どのようにディスカッションしていくのか。しかし、共同で道を開いていくのには十分な意見交換が必要だ。他の農業生産者たちと一つのテーマについて普段話さないから、このイベントは素晴らしいものだった。」とCsuti氏は付け加えた。
特に野菜・果樹等の労働集約型作物がこのイベントで特にフォーカスされ、協力関係が必要だと議論された。Dorn氏によると、大規模な集団収穫を行うような農業にくらべ、大きな労働力と複雑作業を要するためだとの事だ。
労働集約型作物の生産者にとっての現在の主な課題は労働力であると、Dorn氏とCsuti氏は議論した。世界中で適応しているイノベーションより、労働はもっと早いスピードで変化しているとDorn氏は述べた。「遺伝学はトレンドで、状況は改善されつつある。しかし我々がより早く、より安価に働くことを助けるソリューションが必要だ。我々はストレスを感じている。だが代わりに、それはイノベーションのハードルをずっと低くする。」
労働に関しては大きく2つの問題がある。1つは、農業者は高齢化し労働人口が減ってきているということだ。「彼らは、以前にもましてより多くのデータとイノベーションを引き受けている。しかしそれは時間とマインドシェアの労働だ。それは高度なチャレンジになっている。新技術を引き受けて、もう一度何かを学ぶことに、どれくらいの努力が使われるかは過小評価される。」とDorn氏は言った。
もう一つの問題は、スキルの不足している労働力の不足だという。「Driscoll’sにとって、労働力は最初の課題だ。これはカリフォルニア州だけに限った話ではない。我々の生産地点は国際的であり、労働力が安くて豊富な場所は数多くある。しかし新しい世代が成長して、誰も最低賃金でベリー摘みをやろうとは思わないのである。この先を考えると、我々はこの危機に応えるだけではいけないのだ。」とCsuti氏は話している。
他の押し寄せる課題としては、水や圃場の質、消費者へわたるまでのトレーサビリティーなどだ。そして生産者たちがAgTechを使用を簡単なものにして欲しいと思っているのもこれらの課題になるのだ。