トレーサビリティの鍵となる農場管理ソフトウェア
Editor’s Note: Remi Schmaltz is CEO of Decisive Farming, a Canadian software program for farms offering precision agronomics, data management, crop marketing, and telematics services.
“トレーサビリティ”、最近の食農分野におけるトレンドワードである。簡単にいうと、トレーサビリティとは一つの肉や野菜、食品といった、サプライチェーンにおけるあらゆる商品の流れを農場から食卓まで追う能力である。
食料供給において高まっているトレーサビリティの需要はスーパーマーケットチェーンと、それほど大きくはないが商品の購入者によって動かされている。これは何というもので、どのように育てられどこからきたのかが明らかな、いわゆる「ごまかしのない真の食べ物」は、既にヨーロッパでは大きな流行となり、悪いニュースは多いが一部の消費者の間では食の安全性が一番の関心事になっているようなアジアでも重要視されている。多くの専門家達は、似たような事がすぐに北米でも起こるだろうと予測する。
トレーサビリティは利点だけでなく、経営タイプの違いに関わらずあらゆる農家への課題との二面を持つ。一方では詳しい情報を求めている製造業者と小売業者による支払保険料の意味をなす。またそれは、商品が市場で受け入れられるようにし、経営効率を上げ、消費者の信頼を高めることでもある。他方で、かなりの経費がかかるという事と物流における課題も指摘される。それは、他の物と接触していないか確認をしているか、仕入れ業者に要求されたデータを収集・記録しているかといった仕入れ業者の要求に生産者側が合わせなければならなくなったという事だ。
トレーサビリティの要求は、その商品のタイプとその市場が求めるものによって大きく異なる。現在のところ、アメリカにはトレーサビリティの基準はない。しかし、産業に併せた政府の水準が、完全なトレーサビリティシステムを優先事項として段階的に国家食農トレーサビリティシステム(NAFTS)に導入する事とした。
はじめに、NAFTSは家畜や家禽へ注目するつもりで、カナダ農業連盟(CFA)は既にそれを支持していた。農業ビジネスの中で活気付いてきた食品における、正確でタイムリーなトレーサビリティにより、生産者とバリューチェーンの中の全ての人々にとってこの流れに乗るか取り残されるリスクをとるかは重要な事となった。またこれには、生産者達はどのようにして持続可能で説明できる農場作業を行うか、どのようにして彼らはきちんとした方法で私たちの食べるものを育てるのかといったことを、小売業者と消費者双方に学んでもらうという事も含まれている。
提案されている国家環境農業計画(議題は農家と他の産業の関係者が団結すること)のような新しい法律や議定書の制定に関して言えば、権力を持つことによって彼らが言いたい事を言う可能性はもっとずっと高い。ソフトウェアやモバイルアプリ、センサー、テレマティックス(無線情報技術)を用いることで、より効率的に収穫の決定や入力を管理し、データの共有をより容易にし、サプライチェーンとトレーサビリティの要求を満たす事が可能になる。農場管理ソフトウェアの市場はあまりに広く、幅広い機能や特性をカバーしているため、購入前の下調べと基準に照らし合わせる事が重要なのである。
適切なソフトウェアの選び方のキーポイントは:
1. 農学者や設備の販売業者、穀物倉庫、農産物のマーケターなどの農業関係者と単一データプラットフォームの上で協力できるか。
2. テレメティックスやセンサー、また他のソフトウェアとの接続の際にデータの入力無しで自動的に使えるプラグアンドプレイ機能があるか。
3. モバイルアプリとクラウドベースのソフトウェアの利用が簡単であるか。
4. ソフトウェアプラットフォームは精密農学やデータ管理、農産物マーケティングなどの全てのニーズに対する完全なソリューションを備えているか。
5. データ所有権は栽培者が持ち、他ソフトへのデータ転送が簡単か。
トレーサビリティに役立つのはどんなツールだろうか?
Link:https://agfundernews.com/farm-management-software-will-key-food-traceability.html