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新たな農業市場 極東ロシア

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日本政府は、極東ロシアの経済支援の一環として農産業を支援する協定を調整している。日本はこの協定により、北方領土の交渉を進めたい考えだ。一方で、ロシアはウクライナ問題でEUから制裁を受けたことに対し、農産物や食料品の輸入を禁止した。このためロシアは国内の農業強化を目指す。

今回の協定により、日露政府と民間の農業関係者がプラットフォームを設置する。土壌や農業用水などの調査、技術指導、農業機械の導入による効率化を行う。特に植物工場や穀物ターミナルの建設に期待がかかる。また、国際協力銀行など政府系金融機関は、資金支援によってハバロフスクをはじめとする極東ロシアへの日本企業の進出を後押しする。11月19,20日にペルーで行われるアジア太平洋経済協力会議(APEC)での首脳会談を前に、世耕弘成経済産業大臣がモスクワで担当閣僚と最終調整をする。

着々と進む日本企業の極東ロシア進出

極寒の地である極東ロシアは、作物が収穫できない時期が長い。安定した食料供給を実現するためにも植物工場などの日本の先端農業技術への期待は大きい。

2014年10月のグローバルフードチェーン官民協議会の資料によると、農業経営をサポートするクラウドサービス秋彩(Akisai)を売り出す富士通は、北海道銀行との連携でアムール州やサハリン州にアプローチし、バラやイチゴを栽培する予定だ。また、プラント建設大手の日揮は、ハバロフスク市の野菜温室施設栽培をする現地会社の主要株主として資金提供する。ハバロフスクは野菜などの大部分を中国から輸入しているが、土を使わない「養液栽培」やガスボイラーでの温室調整でキュウリやトマトを年間1100トン出荷することを目指す。将来的にはイチゴも出荷する。

日露の農業支援協定が締結されれば、極東ロシアの農業市場はさらに拡大し、世界へ日本技術を発信できる。11月の首脳会議で締結される協定内容に注目だ。

参考:産経ニュース

http://www.sankei.com/politics/news/160919/plt1609190003-n1.html

資料:http://www.maff.go.jp/j/kokusai/kokkyo/food_value_chain/pdf/list1_6.pdf

https://www.hokkaidobank.co.jp/common/dat/2016/0831/14726030452074340134.pdf

 

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