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アメリカ国際開発庁がパートナーを募集!東南アジアのイノベーターにチャンス

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アメリカ合衆国国際開発庁(USAID)は、東南アジア地域における農業分野でのイノベーションを、同機関と協働して進める農業イノベーターを募集しようと、そのEOI(関心表明書)の受付を開始した。

 

このコラボレーションの目的は、最終的には該当地域における小規模・中規模農業ビジネス(SMAs)の生産性と収益性を向上させるという意図で、東南アジア地域の農業に対する公共投資・民間投資を刺激することにある。

 

EOIの締め切りは2月25日am5:00(日本時間)だ。
EOIでのスクリーニングを通過した候補はUSAIDによって、「協創」ワークショップに招待される(3月中旬。ワシントンDCかバンコク)。このワークショップを通じて、候補者達のアイデアが更に厳しい審査に合格できる程強固であるかどうか確かめられる。
3月末において候補者として残っているイノベーターは、今現在彼らが推し進めているプロジェクトをUSAIDと協同するチャンスが与えられる。潜在的にも、ASEAN地域全体における将来的なコラボレーションの可能性が与えられることにもなる。

 
より具体的にUSAIDがパートナーに求めていることは、バリューチェーン全体で生産性と収益性を向上させることである。そのために候補者達が取り組むべき事柄は、小中規模農業(SMAs)が負債による資金調達を容易にすることに加え、新たな農業技術の開発やビジネスプロセス改善および商取引時のインフラ設備の改善が挙げられている。
しかし、イノベーター達は以下の事柄を関心表明書に取り込むことでより良い提案ができるかもしれない。

 
●USAIDの民間セクターへの既存の参画ツールを踏み台にする(USAIDの提供する部分信用保証や投資家・小中規模農業経営者に対する技術支援)

 
●域内における企業・リードファーム・金融機関の市場とのつながりを強化する

 
● USAIDの東南アジア市場経済計画および、米国政府の飢餓対策/食料安全イニシアチブであるFeed the Future(FTF)の全体的なミッションに添う

 
●USAIDとの一対一の関係でなく、ASEAN横断的な事業スコープを設定する(USAIDが現在活動しているカンボジア、インドネシア、ラオス、ミャンマー、フィリピン、ベトナムのうち最低二国を巻き込んだ範囲でのイノベーションプラン)

 
● ASEAN経済共同体の理念に従って、地域間結合をサポートし、かつそれを利用することに重点を置く

 
● 投資家・企業・NGOを含めた民間のステークホルダーや、その他国際援助機関とのパートナーシップやシナジーの可能性を考慮する

 
● 包括的な経済成長を実現するために、都市ー地方関係を活性化させるソリューションを提示する。

 
USAIDはASEAN加盟国でも既に活動を展開している国、つまりカンボジア・ラオス・ミャンマー・フィリピン・ベトナムをターゲットにしている。そしてこのコラボレーションプログラムとそれに続く実際のコラボレーションを介して、USAIDはこの地域での貢献を拡大することを望んでいる。

 
一度パートナーが確定したら、USAIDで定めたASEANでの開発目標達成のために、”co-creation, co-design, co-invest, collaborate”すると同機関は述べる。USAIDが農業という産業を東南アジア地域における経済成長促進の重点分野として選んだ理由は、この地域が世界有数の農業生産力を有する土地の一つであるからだ。取得可能な最新の記録によれば、東南アジア10カ国を合わせると、1.29億トンのコメ、4000万トンのトウモロコシ、1.71億トンのサトウキビ、144万トンの大豆、7034万トンのキャッサバを生産していることになる。

 
さらに、ASEAN地域は東アジアと南アジアの間に位置しているため、さらなる発展を目指す農業ビジネスにとっては供給・加工拠点として理想的な場所であるとUSAIDは付け加える。

 
しかしながら、このようなポテンシャルとは裏腹に、ASEANでの小中規模農業は多くの場合、低い生産性と成長率の低下に苦しんでいるとも同機関は指摘する。事業者達は資金・情報・技術・市場のアクセスがしにくく、かつ営業コストが高いことに対処しなければならないのと同時に、事業を拡大するためのグロースキャピタルも十分に確保することができない。

 
USAIDの呼びかけに対応して提出される関心表明書(EOI)には、具体的な研究/開発アイデアが、それがどのようにUSAIDのプログラム目標に貢献するソリューションを生み出せるかと共に、明示されなければならない。

 
また、関心表明の段階で、出願者は同じ立場に置かれたアクターと協力することを検討するように勧められる。それによってこのプログラムに、多様な視点および競争上の優位がもたらされることが狙いだ。USAIDは、コストシェアリング契約が適用可能か十分に検討することも強く出願者に促している。

 
最大2件まで関心表明書の提出が各出願者に認められている。が、関心表明に際しては厳しい基準が定められている。関心表明書は、例えば4ページを超えてはならず、民間セクターにおける他のアクターとの関係性が明確に示されている必要があり、かつそれまでに結んだ農業ビジネス用資金調達関連のパートナーシップをリストアップしなくてはならない。

 
USAIDはこの地域で応用可能な専門性を持つ信頼の置けるパートナーを探している一方で、様々な視座と将来的素質を有する多様性のあるパートナーシップ体制の構築を目指している。この目標は、様々な「協創」の担い手ならびに資源供給者を一度に寄せ集めることを通して、物事を大きく考えること、イノベーションを起こすこと、ビジョンを共有すること、より巨大なリソースを地域のためにプールすることが可能になるというプロセスを経て達成されると、USAIDは予測している。

 

 

 
関心表明書提出に関するその他の情報および詳細は、以下で確認することができる。
https://www.fbo.gov/index?s=opportunity&mode=form&id=a8d27746a5145520f925c88c1b7a87dc&tab=core&_cview=1
LINK: https://agfundernews.com/agribusiness-innovators-southeast-asia-usaid-wants-partner.html

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