• このエントリーをはてなブックマークに追加

植物性タンパク質を原料に新しい「肉」を作るスタートアップBeyond Meat

Pocket はてブ

牛の細胞を培養し、「人工肉」を作る。ここ最近話題になった「人工肉」というワードだが、これを毛嫌いする人が多いようだ。そんな人々に朗報になるのかもしれないが、植物から作られた牛肉を使ったハンバーガーなら、あなたは気にせず購入するだろうか?

植物性タンパク質を原料として肉を模倣した食品を開発するカリフォルニアのスタートアップBeyond Meatが、アメリカ最大の食肉加工企業であるタイソンフーズから投資されたとニューヨークタイムズ紙が報じている。金額は非公開で、同社株式の5%を取得しているとのことだ。

Beyond Meatはエンドウ豆や「畑の肉」とも呼ばれる大豆を原料として、動物の肉を使用せずに、鶏肉、豚肉、牛肉の味や食感を模倣した食品を提供している。

今年はこの模倣肉を使用したハンバーガーがアメリカの高級志向グロサリーストア、ホールフーズ・マーケットで販売され、大盛況だったという。植物100%の食品であるため、ベジタリアンの消費者の興味も引くことができたようだ。ホールフーズ・マーケットで販売されたことからわかるように、原料の大豆には遺伝子組み換え作物が一切使用されていない。

以下の図は牛肉と同社の模倣肉との比較を表している。牛肉の飼料に遺伝子組み換え作物が使用されていることが多い点や、発がん性リスクのある合成ホルモン剤の残留、さらに抗生物質の残留などのリスクを排除した健康的な食品であることをアピールしている。

2359_1
牛肉とBeyond Meat社の模倣肉の比較(Beyond Meat社ホームページより引用)

健康志向が高まるアメリカの食品市場は同社にとって追い風のようだ。2014年から翌年の2015年までの加工食品全体の販売額は3.7%の増加に対し、植物性タンパク質を組み込んだ食品全体の販売額は8.7%も増加している。アメリカでは同社のように、様々な方法で動物性タンパク質を模倣した食品を開発するスタートアップが立ち上がっている。食卓に並ぶハンバーグが大豆から作られているなんて時代は、日本でもそう遠くないのかもしれない。

参考:http://www.nytimes.com/

Pocket はてブ