干ばつに強い、遺伝子組換えコメの品種開発
科学者らはオーストラリアの首都キャンベラに集まり、より効率の高いコメ生産に関する研究について議論したとWeekly Timesは伝えている。
マイクロソフト社会長のビル・ゲイツ氏とその妻のメリンダ氏によって設立されたビル&メリンダ・ゲイツ財団に援助を受けたプロジェクトのもと、世界的な科学者たちのチームは、光合成能力を持続的に増加させるため、トウモロコシの遺伝子で遺伝子組換え技術を用いて、より生産性の高いコメの種を開発するための6年間の研究プログラムを始めたのだ。
イネは一般的にC3型光合成プロセスを行う植物だが、トウモロコシのようなC4植物の光合成プロセスは、干ばつのような厳しい環境条件でも収穫量を向上させることに効果があるのだと科学者たちは話している。
オーストラリア国立大学にあるThe ARC Centre of Excellence for Translational Photosynthesisの教授によれば、50%以上コメの生産量を増加させるには、普通の栽培の水、光、温度、空気中の二酸化炭素が必要なのだということ。
「C4植物がC3植物よりも効果的な理由は、C4植物は葉の特定の細胞に、大気中の二酸化炭素を集中させるバイオケミカルな構造を持っており、光合成率を2倍にすることができる。C4植物は従来のコメや小麦などのような作物に比べて、光合成に必要な(炭素量に対する)窒素量が半分で済むのだ。C3植物に比べて与える水も少量で済み、最大で5倍もの成長を見せる。」と彼は話したとのこと。
科学者たちは現在、C4植物をイネにコピーすることに取り組んでおり、将来的には生産性が向上し、干ばつに非常に強い作物を作ることが可能になるであろうとのことだ。
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参考:http://www.oryza.com/25650/scientists-discuss-development-hyper-efficient-high-yielding-rice-variety