ブラジル 干ばつ乗り越えコーヒーの生産量・質向上か
ブラジルのアラビカコーヒー生産が好調になるとの予想が相次いでいる。
最近のロイターの報告では、ブラジルのアラビカ豆生産の中心であるサンパウロ州とミナスジェライス州では、ここ2年の干ばつの被害から十分に回復したと専門家が話しているとのことだという。木々は大きく生い茂り、実は十分に成熟している。また悩まされていた病虫害も少ない。
ここ2年は干ばつと酷暑の影響で、コーヒー豆のサイズが小ぶりになってしまっていた。しかし、今年は75%以上のブラジル産アラビカ豆は大きいサイズの豆として出荷できる。大きい豆の収穫量が30%を超えるのは3年ぶりとのことだ。単位面積当たりの終了は23%も向上しているとのデータもあるという。
気象学者らはコーヒーベルトの地域では収穫期前に乾季が訪れると予想しており、それはコーヒー豆が十分に成熟するよりも1ヶ月早い時期にあたる。
エルニーニョ現象で知られる太平洋赤道付近の海面が温められる現象は、ここ数ヶ月ブラジル南東部に雨をもたらした。しかし太平洋は急速に冷やされており、4月には乾燥した気候をもたらすラニーニャ現象が発生すると専門家は予想している。
収穫期に晴天が続けば、それはコーヒーの味が良くなることの前兆となる。湿潤な気候の場合には不快な苦味が出てしまう。豆が成長するときには雨が多く、収穫するときに乾燥しているのがベストなのだ。ここ最近はエルニーニョ現象によって太平洋の海面が温められたことで、コーヒーベルトには雨の降る日が多くなっていたが、今年はそういった気象状況が異なるのだという。
エルニーニョ現象が発生した後にはラニーニャ現象が発生することが多く、エルニーニョ現象同様に世界の農業に大きな影響をもたらす。2015年は史上最強とも呼ばれるエルニーニョ現象が発生したこともあり、今度は強烈なラニーニャ現象が発生する可能性が高いと言われている。特に南米、北米の穀物生産に大きなリスクを抱えることになる。