水耕栽培:DIYとしても注目を集めるその栽培方法とは
ここ最近の乾燥した気候が何かしらの気候変動を示唆しているのであれば、食料生産の代替法を考えておく必要がありそうだ。水耕栽培は、スペースや水、土が限られている環境の場合、1つのよい方法であると言われている。
水耕栽培システムは便利なもので、水やりや除草は必要無く、作物を収穫することができる。水をリサイクルするため、スペースをそれほど必要とせず、環境にやさしい栽培方法だ。
海外では水耕栽培システムが商業栽培でも家庭のガーデニングとしても非常にポピュラーな栽培方法で、水耕栽培を始めるためのキットのようなものが豊富に販売されているのだ。
水耕栽培を始めるためにまず最初に行うことは、栽培に適した場所を見つけるということだ。光があまり当たら無い場所となると、植物が十分に育たない。そのため、よい朝の陽光を浴びることができる場所を選ぶのが重要だ。つまり家の中でも東か南の位置に配置したい。
次に選ぶ必要があるのが、正しいサイズである。スモールスケールで始め、徐々にサイズを大きくしていくのがよい。
その次に決めるべきことは、どのタイプの水耕栽培システムを選択するかということである。様々なDIY(Do it yourself, 日曜大工)システムがあるものの、ある程度の配管技術が必要となる。スタイロフォーム(発泡スチロールの一種)の上に植物を浮かばせるオープンウォーターシステムは推奨できない。なぜなら蚊が産卵をしてしまうからだ。最近使われているほとんどのシステムはもみ殻から作られた炭や、火山岩、粘土のペレット、砂、ココナッツの繊維などといった異なるタイプの生育培地である。
最もシンプルな方法はウィックシステムと呼ばれるものである。植物の下を流れている液肥が、吸収性のあるウィック(アルコールランプなどをイメージしてほしい)に移動するのだ。このシステムはポンプを必要としないが、十分な養分を植物に届けることができない。一方ドリップシステムは、重力かポンプの力を使って液肥が培地にドリップすることが可能になる。これにはタンク、ドリップ装置、そして配管材が必要となる。Ebb and flow(潮の満ち引きという意味)システムはポンプを用いて、液肥を培地表面に直接浸し、浸透した液肥を排出するタンクが下に用意されている。自動で定期的に水をやるタイマーが使用されるので、停電やポンプの故障が植物の根に害を及ぼす場合もある。
エアロポニックと呼ばれる方法は、ミスト状の液肥を植物に当てる方法だ。この方法は植物の病気を減らすことができるという。しかし十分な液肥が与えられない場合、植物の根が乾いてしまう。
水耕栽培は簡単なことばかりだと思うのは間違いだ。水耕栽培を行うと、養分の不足や水の汚染、病虫害、作物不良といった課題に直面し、栽培に注意を払わなければならない。これがスモールスケールで始め、その後スケールアップした方がよいという理由である。