【日本初】電解水設備を導入したオランダ式大型ハウスで園芸農業モデル施策始動
高知県南国市の「還元野菜プロジェクト」のもと、同市に日本初の電解水設備を導入したオランダ式園芸用大型ハウスが建設され、2月1日に落成式が行われた。
「還元野菜プロジェクト」とは整水器シェアNo.1の日本トリムが連携協定を結ぶ高知県・南国市・JA南国市・高知大学の4者との官民学プロジェクトである。これは、日本トリムの電解水素水の農業活用を南国市の農業者減少、販売高減少などの解決策として用い、高付加価値高収益の作物を生み出すとともに、関連産業や職業の雇用を拡大することを期待して取り組まれているプロジェクトだ。
「還元野菜」とは水を電気分解した還元水(電解水素水)を用いて栽培した野菜で、より抗酸化成分や糖度などの質が高い野菜である。
(写真左・日本トリム制還元野菜整水器、右・水道水と電解水素水の比較栽培実験)
当ハウスは、湿温度自動管理、二酸化炭素制御、環境制御設備などの機能を備える最先端のオランダ式高軒高ハウスに日本トリムの農業用電解水素水整水器を導入したものである。オランダ式大型ハウスに電解水素設備が供えられるのは日本初の試みだ。この施設で、パプリカやピーマンなどの還元野菜、年間132トンの栽培が計画されており、この設立により、「還元野菜プロジェクト」が本格的に始動する。このプロジェクトは農林水産省補助事業の助成金も得ており、今後電解水素水による高品質、高付加価値野菜の栽培技術の確立、及び育成効果の実証を進めて行く。国内普及のみならず、ゆくゆくはグローバルな展開が期待できそうだ。
このプロジェクトの中で特に注目される作物・パプリカは、国内で販売されている約90%が韓国やオランダからの輸入品であるため、この電解水素水を活用したパプリカの栽培が安定化すれば、質の高さでの差別化が期待できる。また完熟出荷が可能になるため、輸入野菜に比べ、より鮮度の良い野菜が食卓に届くことになるであろう。国内には競合が少ないため、産地の強化も期待できる。日本の食料自給の観点から見ても国産の比率が高くなることは好ましい事であり、地域農業の観点から見ても、高付加価値高収量の農業手法は地域農業の将来を見据えた園芸農業のモデル施策として大きく期待できる。
・オランダ式大型ハウスとは
オランダはアメリカに次ぐ世界第2位の農業生産物輸出国であり、狭い国土を有効活用した高収益をあげる農業手法を確立してきた。このプロジェクトで建てられたハウスも、オランダの農業手法の一つである高軒高設計が採用されている。