台湾、東南アジアとの農業連携で中国への輸出依存脱却はかる
台湾の農林水産省とも言える行政院農業委員会(COA)は、12月8日、政府の「新たな南方政策」の下で、東南アジア4か国との農業分野での連携を促進すると発表した。COAは院会(閣議)で、現在台湾は農産物の輸出に関してあまりにも中国マーケットに頼りすぎており、マーケットの多様化が急務で必要だと指摘した。台湾は、ASEANとオーストラリア、ニュージーランドとの経済協力を目指している。
台湾、視線はASEANへ 「新たな南方政策」
台湾にとってASEANは2番目に大きな輸出、投資先地域である。台湾とASEANの関係はテクノロジー、教育、労働力、文化、その他領域で広げてきたが、行政院はその地域経済統合の課題に対応するため、台湾の対外経済戦略を見直した。こうして打ち出されたのが「新たな南方政策」だ。
この政策には以下の4つのタスクがある。
①サプライチェーンの統合や共同インフラ計画といった経済協力
②学生や人材の相互派遣
③文化やテクノロジーなどの資産共有
④二国間あるいは多国間協力のシステム化や交渉・対話の強化によるネットワーク構築
この中で農業は③の資産共有で重要視されている。COAは農産物や農業資材の輸出を増やすために、台湾国際農業開発股份有限公司を設立した。農業技術を提供し、バイオマテリアルや農業機械を広げ、パートナー国のビジネスの将来性を高める。
農業で協力、どの国と?
冒頭で述べたように、COAはASEANの4か国との農業分野での連携を促す方針だが、その4か国は未だ最終決定されていない。おそらくはベトナム、タイ、ミャンマー、インドネシアになるだろうが、他の国も含まれる可能性もある。
目標は、4か国との農業における全面的な協力を発展させ、それらの国々で農業の起業家たちが少なくとも10個のモデル農場を設置するのを援助することだ。
いずれの国との連携になるにせよ、中国マーケットを維持しつつも、南方の新市場へと積極的に進出し、農産物の輸出や投資を増やしたい意向だ。