危機迫るエチオピア、4月までに2億4500万ドルの緊急支援
エチオピア政府が食料危機に対応するために多くの施策を打ってきたことを以前紹介した(エチオピア食糧危機を免れるか −成長を支える2つの機関−)。しかし、そんなエチオピアであったが、現在緊急で食料支援を必要としている。
子供支援の国際NGO、Save the Children によると、4月までに国際社会は食料支援のために2億4500万ドルを用意する必要がある。さもないと、エチオピアは深刻な食料不足に陥る可能性がある。
Save the Children エチオピア支部の代表であるジョン・グラハム(John Graham)によると、内陸国であるエチオピアに食料を届けるには港がある隣国ジブチを経由する必要があり、実際食料を必要としているエチオピアの人々に食料が届くまでには購入から通常120日かかる。そのため、4月までに食料支援のための資金をエチオピア政府が確保し、食料を購入しないと、食料不足が本格化する8月に干ばつ地域の食料不足が深刻化するとのことである。
エチオピアは現在、過去50年で最もな深刻な干ばつに見舞われている。現在1020万人の人が緊急食料支援を必要としており、うち600万人は子供である。また、そのうち4万人の子供は重度の栄養失調に瀕しており、緊急で対応がなされない場合、体や脳の発達障害の影響が懸念される。加え、170万人の子供と妊娠した女性が軽度の栄養失調状態にある。
また、食料不足に限らず、干ばつに見舞われた地域は深刻な水不足にも陥っている。現在580万人もの人が飲料水へのアクセスを緊急で必要としており、支援が滞れば、さらに深刻な状態に陥る可能性がある。
しかし、国連事務総長バン・キムンが早い段階から国際社会に向け支援を要求してきたのにもかかわらず、支援は滞っている。国連とエチオピア政府が共同で1億4000万ドルの支援を要求したのにもかかわらず、エチオピア政府はその半分の支援も得ることができていない。現在は、緊急食料支援の確保のための資金の多くはエチオピア政府が自ら負担しているものの、これ以上援助が滞れば、エチオピア政府は教育や母子保健などの重要課題のための予算を食料支援に割くことになってしまう。
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参考:http://allafrica.com/stories/201602101757.html