ケニア 害虫に強いトウモロコシの品種が開発される
茎メイガの問題
アフリカの小規模農家は主要作物であるトウモロコシ、綿、キャッサバに寄生する害虫に長年悩まされてきた。特にケニア沿岸部のキリフィ地区のトウモロコシ農家はメイガによる大きな被害に悩まされている。
茎メイガは北アメリカ原産の害虫で、トウモロコシの茎や葉に寄生し、トウモロコシの成長を阻害し、時には死に至らす。科学者によると、茎メイガにの被害のため、ケニア全体のトウモロコシ生産量の13%もが失われている。これは量でいうと、年間40万トンにもあたり、ケニアの年間トウモロコシ輸入量と同一である。すなわち、ケニアはメイガ対策に成功することができれば、自国でのトウモロコシ自給率があがり、輸入にかかる費用を削減することができるのである。
新たな品種
これを踏まえ、多くの研究期間が様々な取り組みを行ってきた。まず、Water Efficient Maize for Africa (WEMA)の官民共同プロジェクトチームが研究を重ね、茎メイガに対抗できるトウモロコシの品種を開発した。
それに加え、Kenya Agricultural and Livestock Research Organization(KALRO)も茎メイガに対抗できる品種の開発に成功し、農家たちへの配給を検討している。
仮に、配給が実現すれば、ケニアのトウモロコシ農家はついに害虫の問題から解放されると同時に、生産性が向上し、収入が増加することが予測できる。また、ケニアのトウモロコシ輸入量の削減がみられる可能性もなくはない。