• このエントリーをはてなブックマークに追加

小規模農業への投資は他産業と比べ貧困削減へ3倍の効果

Pocket はてブ

この世界に住む人々の70%が日頃食べているものは小規模農家、または漁師、牧畜家、猟師などいずれも小規模の生産者たちが作ったものである。
しかし一方で、食農と農村開発のための国際ネットワークMore and Better Networkのレポートによると、小規模農家や彼らの家族は、飢えに苦しむ8億人、極貧の200万人のほとんどを占めているという。

国連と国連に名を連ねる国々がSDGs(持続可能な開発目標)の目標1及び2(飢餓をなくし食料の安全保障と栄養補給を守り、持続可能な農業を達成することを記した目標)を達成するには、小規模生産者へのさらなる投資と支援が必要であるとレポートは記す。

国連食糧農業機関(FAO)は、発展途上国の農業産業の成長率は、農業以外のGDP成長率と比較して平均2.9倍の貧困削減効果を示していると述べる。世界銀行によると、中国などの一部の国においては貧困削減効果が他産業の成長に比べ3.5倍高いという。
それにもかかわらず、農業は大幅に資金が不足しており彼らは必要な資金を満足に得られていない状況だ。今のところ集まっているのは、発展途上国の小規模農業が必要とする資金の4分の1にも満たず、Blending4AG によると年間1500億ドル以上の資金調達ギャップが残っているという。

アメリカでは、地方政府は農業投資の目標を達しておらず、政府は2001年から2015年の間に1.6%から1.3%に落ちた漸減的な中央政府支出を割り当てた。
アフリカの政府は2003年に、5年間で国家支出の少なくとも10%を農業産業に割り当てるとしたが、2001年から2015年の間に割り当てられたのは2%以下であった。彼らは2014年に再び目標を立て直したが、未だに54のアフリカの国々のうち目標に達成したのはたった9カ国にとどまっている。

小規模農業はOECD諸国や個人投資家からの開発援助を持ってしてもまだ資金不足の状況である。
Investments in small-scale sustainable agriculture(小規模農業への投資)と名付けられたこのレポートは、小規模農業へのさらなる投資のためだけでなく、投資家と小規模農業の双方のために、リスクと利益を分け合う新しい投資の形を作り出すべく、急を要するものだと指摘する。

The More and Better Networkはすでにモザンビークで小規模なパイロットプロジェクトを始めており、ガイドラインとして12のステップを使い、ドイツの財団である HeidehofStiftung の財政支援を受けて新しい投資形態を実施している。この計画はモザンビークでも、2018年に補助金と投資の両方で小規模なパイロットプロジェクトを拡大し、その経験に基づいてさらに拡大することを計画している。
このレポートは農業への投資に携わる金融機関の組織とネットワークの概要を示す。また開発途上国における小規模農業へのさらなる投資と支援の可能性を提示している。

 

Link: https://agfundernews.com/report-investing-in-small-scale-agriculture-is-3x-more-effective-at-reducing-poverty-than-other-industries.html

Pocket はてブ