ミャンマー:稲作農家向けスマホアプリ「GoldenPaddy」が新時代を切り拓く
オランダ人であるErwin Sikma氏が2016年に創業したスタートアップImpact Terra社は、スマホ普及率が近年著しく上昇傾向にあるミャンマーの稲作農家向けに生産管理スマホアプリ「Golden Paddy」をローンチした。
これにより、農家は今までアクセス出来なかった情報に容易にアクセス出来るようになる。
ミャンマーは、アジア地域の中でも肥沃な土壌や豊富な水源を有し、農業にとって有利な地域である。実際にミャンマーのGDPのうち38%は農業生産で占める。
Erwin Sikma氏によると「ミャンマーの多くの農家はスマホを所有しているにも関わらず、農業経営を改善するアプリケーションを利用していないことに気づいた」という。そこで彼は、Impact Terra社を創業し、農家にとって有益なアプリを開発することとした。
実際に開発された「Golden Paddy」では、まず農家は自らの農業経営情報(立地条件・栽培作物情報等)を入力する(英語・ビルマ語どちらでも入力可能)。そうすると、入力された情報をもとに、必要な情報(地域の天気予報・栽培作物の市場取引価格情報・先行優良事例情報・資金調達情報)が農家に提供される。
2016年にローンチされてから、現在おおよそ22万人まで会員が増加しており、現在もなおユーザー拡大に注力している状況だ。まずはミャンマーを起点にユーザーを拡大し、順にタイやベトナムへも進出予定である。
最終的に「Golden Paddy」は、機能を拡充し、農家向けの資材販売や金融を含めた総合的なデジタルマーケットプレイスになることを目標としている。
このようにスマホアプリがミャンマーの農家に浸透していくことは、農業×ICTの分野でも多様な可能性を生むことに繋がる。例えば、リモートセンシング・ドローン・土壌センシングなどの精密農業(precision farming)の普及にも好影響を与えるだろう。
オランダ発スタートアップであるImpact Terra社の今後の飛躍に期待したい。
〔画像出所〕
〔本文参考〕
http://www.agroberichtenbuitenland.nl/myanmar/mobiele-app-biedt-kans-voor-landbouw-myanmar/