兵庫のアローフィールド、ベトナムで農業支援
人材派遣や切り花・化学肥料の輸出入などを手がける アローフィールド (兵庫県西宮市)は、ベトナム農民連合と同国の農業支援に関する協力覚書に調印した。
アローフィールドはベトナムの農家に有機農業、収穫後管理の技術やノウハウを移転し、ベトナムで安全安心な農作物の生産を支援する。一方ベトナム側は、アローフィールドが有する農業技術の普及や関連製品の販売に協力する。この協力機関は5年ごとに自動更新される。
調印式に出席したアローフィールドの矢野英雄社長は、「ベトナムで有機農業向けの製品や技術の普及を促進していく」と意欲を見せる。また、「収穫後管理の徹底は、生産性や農作物の質を向上させ、農家の所得向上にもつながる」と話す。
一方ベトナム農民連合のライ・スアン・モン会長は、「ベトナムは農業が盛んな国の一つだが、生産性は低い。アローフィールドとの協力は、国の農業の発展と安全な農作物の生産、農家の所得向上に貢献するだろう」と期待示した。
ベトナムは南北に細長い肥沃な土地と変化に富んだ気候により、広範な農作物を生産できる。豊富な水資源や発展した灌漑システムは農業に適し、豊富な労働力も強みと言える。一方で、1500万ほどの小規模農家たちが狭い農地で農業を行なっているため生産効率は悪く、また最新技術に関する知識や専門性の低さも見られる。豊かな自然と人的資源を活かせば、世界の農業先進国に追いつく可能性は十分にあると見られ、ベトナム政府はハイテク農業を積極的に取り入れる方針だ。
消費者の間でも、ハイテク農業の農作物の人気は高まっているという。ベトナム国内で安全性の高さ、栄養価、質の高さを求める消費者が増えてきている今、アローフィールドとベトナム農民連合の協力関係の構築は大きな意義があると言えるだろう。