アメリカ農務省、2016年の日本の飼料用コメ生産量が急増すると予想
Oryza.comによれば、USDA(アメリカ農務省)が発表したレポートでは、日本の2016年の飼料用のコメ生産量は、2015年の38.3万トンから26%増加し、およそ49.1万トンに上るとの見解を示したとのことだ。
日本の農林水産省は昨年、2016年の主食用コメ生産数量目標を前年から8万トン減らした743万トンにするとし、7年連続の削減を発表した。これは減反政策による米価安定が目的だ。毎年生産数量目標を各都道府県に設定し、目標が達成された農家に補助金が配られる。
USDAによれば、トータルでの2016年における日本のコメ生産量は7.68百万トンと予想されており、2015年の7.65百万トンよりわずかに増加する見通しだ。これに占める飼料用のコメの割合は6.4%となる予想で、昨年の5%よりも増加の見込み。
飼料用コメについては2015年3月末に閣議決定した、新しい「食料・農業・農村基本計画」で、生産量拡大が明記されている。農林水産省は「飼料用米生産コスト低減マニュアル」を配布して、飼料用コメの生産を推し進めている。農林水産省ホームページによれば、飼料用コメの栄養価はトウモロコシの栄養価とほぼ同等のエネルギー源になるとのこと。
TPP(環太平洋経済連携協定)をにらみ、2018年に減反政策が廃止される。このため、減反廃止が決まった2013年から減反補助金は段階的に下げられている。こうした影響で主食用米価の急落を防ぐため、政府は飼料用コメへの転作を補助金を増額することで促進しているのだ。
参考:http://www.oryza.com/25480/feed-rice-production-japan-increase-sharply-2016-says-usda-post