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世界食糧計画:Patient Procurement Platform(PPP)

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Patient Procurement Platform に新たな協賛者

「0 Hunger」を目標に掲げる世界食糧計画(WFP)は昨年からPatient Procurement Platform (PPP)に取り組んでいる。PatientProcurement Platform は世界食糧計画が以前から取り組んできた Purchase for Progress (P4P)の中の取り組みの一つであり、小規模農家を市場経済に統合することによって彼らの競争力や収入を増加させる試みである。
そして先月20日ダボスでPPPに関する会議が行われ、大手種子メーカーのバイエルや前国連事務総長のコフィ・アナン氏も役員を務めるアフリカ発の農業機構 AGRA(Allianace for a Green Revolution in Africa)を含める8つの組織が了解覚書(MOU)にサインをし、今後PPPに協力していくことに合意したのである。

取り残された小規模農家

アフリカの小規模農家は悪循環にはまっている。大規模農家に比べ生産力や品質に劣る彼らは市場での競争力がないため、農作物を市場で売ることができず限られた収入しか得ることがでない。そしてそれが原因となり彼らは肥料や品質が高い種子を購入することができず、競争力を失ってしまい市場から孤立してしまっうのである。
こういったこともあり、世界にいる7億950万人の空腹状態の人のうち、実にその半数は小規模農家なのである。食べ物をつくる側の人間である農家が空腹状態であるという現実は実に皮肉である。

見える希望

こういった問題を解決するのに始められたのがPPPである。PPPは小規模農家に高い品質の種子や肥料を提供し生産の面でのサポートを行うだけではなく、低金利の貸し出しや保険などの財政面でのサポートも行うことによって小規模農家の競争力を高めている。また、小規模農家を地元の買い手業者とつなぎ合わせることによってマーケットへのアクセス面においてもサポートをしている。
この取り組みはルワンダ、タンザニア、ザンビアの三国ではすでに昨年から開始されており、成果を残している。ルワンダでは2万人、タンザニアでは3万人の小規模農家が地元の買い手業者とつなぎ合わせられている。
新たな協賛者を得たこともあり、PPPはその活動範囲を広げていく予定である。3年後には25カ国に渡り150万人もの小規模農家を対象に取り組みを広げていくとのことである。
PPPの今後の成果が楽しみである。

 

参考:http://allafrica.com/stories/201601220685.html

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