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なぜ今マサチューセッツ工科大学が、農業や環境の講座でイノベーションやテクノロジーを教えるか

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アメリカに、教育課程の中心に農業技術を置く一流大学が多いことは周知の事実だ。授業は、ドローンを使って作物の情報を得て、変わりやすい収穫高を予想することに利用することや水の利用を管理することなど全てを網羅している。

現在の多くの授業は次世代の技術的知識を持った農家や農業関連産業の専門家を育てようとしているのに対して、マサチューセッツ工科大学(MIT)は少し違った教育方針である。

MITは昨年、農業専門家のための「農業と環境の革新と技術」という講座を始めた。

工学の教授であり、この講座の講師であるマーカス・J・ビューラーはAgFunderNewsに対し、「MITの私たちにとって、環境や農業、食物と水の結びつきはますます重要になっている。今までMITで農業やそれに関するトピックの講座を開いたことはなかったが、それはとても面白くなってきており、私たちは農業について長年教えてきた他大学とは違った角度で取り組んでいる」と述べています。

MITは最近、どのように植物の病気は広がっているかという重要な問題に取り組むために教員を雇用し、いかにして衛星を使うことで、湿度や土の効果的なデータを得ることができるかを模索している。

開始した去年から、その講座は政府関係者や研究機関で働く人など世界中の人々を対象にしている。ビューラーはその授業には農業技術が豊かな国からあまり技術が普及していない地域まで世界中に生徒がいると報告している。

その講座はビッグデータや増加したオートメーションが最大の好機となる農業の最先端を概観することから始まった。技巧や科学技術について学び、その後、種やコーティング、科学土壌などの高度な材料を学ぶ。その一連を通して、医学やナノテクノロジーのような他の産業の例や技術的進歩は実例や比較事項として使われる。

そのような新たな観点に加えて、この講座が重視しているあらゆる分野にまたがるディスカッションや生徒同士の共同研究も独自の試みだ。

ビューラーは、「異なった産業界からの客員講師による講義に加えて、他の政府や企業、技術的偵察などの生徒もいて、政策や環境保護の観点からアプローチしている。また、経験となるよう、宿題やグループ課題を出している」と述べた。

「客員講師は政府の機関の人やスタートアップ、NIFAの上層部、有名投資家などもいる。共同研究によって結びついたさまざまな生徒たちは、みな農業技術のあらゆる面について多くのことを学び、それぞれの方向に歩みます。」

「講師も含めて、みな多くのことを学びます。私たちは、ほかの分野の人たちは何に関心があり、どのような観点を持っているかを学びます。このネットワークは生徒や講師によって構成される膨大なものです。」

ビューラーは医学分野の観点を生かしており、ほかの学問分野とコミュニケーションがとれることを重要視している。それは科学技術の進歩はよく他分野の人との協力によって起こるためだ。

「化学の教養を持つ人が医者と話したり、電子技術者が開業医と話したりすることがある。一方の人が一人では理解できない分野では、いかにして分野間を結びつけることができるかを理解している人が必要である。」

未だ農家の方を客員講師として講座に招いてはいないが、将来的には講師となってもらうことを望んでいる。

学問分野間の交流はまだ歴史が浅いが、それは農業技術の最も大きな挑戦の一つである。

「環境政策は非常に重要であり、注目すべきポイントである。そのなかでも環境規制はとても大きな挑戦だ。生徒のなかには、政府関係者であり、法律を扱う人がいて、科学技術の枠組みだけでは大規模な新しいことに挑戦できないことをできるように促してくれることもある」と、ビューラーは強調した。

また、新製品を既存のポートフォリオに組み込むモンサントのような昔からある大きな会社とは違うビジネスであるということを強調している。スマートフォンアプリに注目しているシリコンバレーにあるほかの多くのスタートアップとは異なり、MITではいわゆる「タフな科学技術」を重要視している。

インフラにおいてより複雑なものを「タフな科学技術」と呼んでおり、それは体系だったものでは表せられず、多くの投資や計画が必要なより広範囲に及ぶ問題を焦点に当てているため、模範となる計画を築かなければならない。

最後に、消費者が受け入れるかという問題は去年の講座から続くテーマである。消費者が受け入れなければ、成功の見込みがない。

農業技術の将来として、農場から集めた全てのデータを組み合わせて、政策決定の助けを受けながら、理解することが重要である。

ビューラーは農業の弱点を克服することに取り組む起業家や革新家にアドバイスを受けながら進めている。

「科学技術は永続性がある。実際に農家の方と協力しながら進めていく必要がある。私たちは今日農家の方がすでに行っていることを補えるようになるだろう」と、ビューラーは言った。

Link: https://agfundernews.com/mit-teaching-innovation-technology-agriculture-environment.html

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