• このエントリーをはてなブックマークに追加

農業 x ビッグデータ!ビッグデータを農業に活かす企業に迫る part1

Pocket はてブ

Editors Note: This article was originally published on AgFunderNews, the online publication of AgFunder an investment platform for food and agriculture technology.


 

ビッグデータという言葉を耳にすることが最近多くなってきた。ビッグデータはビジネスプロセスを改善するような情報を提供し、スケールが大きくスピードが必要な課題解決に役立つ。今回は農業ビッグデータに関するAgFunderの報告をご紹介する。

 

農業におけるビッグデータの活用とは

数え切れないほどの意思決定に迫られる農家やアグリビジネスといった産業では、今ビッグデータが注目を集めている。おそらく厳しい気象変動や価格変動は、重要な判断を迫られる農家が集める情報に非常に関係があるものだろう。ビッグデータは精密農業の過程においてキードライバーになりつつある。農家やアグリビジネス企業は、最大限の収穫量を得るために最も効果的なリソースを自由に使うことができる。

ハードウェアサイドでは、様々なフォーマットのセンサーがデータを収集する。センサーには地面に差し込んで土壌の水分量や栄養分を計測するタイプや、デバイスをトラクターに取り付けて予想収穫量を計測するもの、気象を予測するいわば測候所のようなもの、人工衛星からの情報でイメージキャプチャリングをするもの、圃場のマッピングや作物の健康状態を測るもののなど様々だ。

一方でソフトウェアサイドでは、データの収集、処理、分析を行う。企業によってはハードとソフトを垂直的に統合して提供している。その場合大抵はハードウェアにソフトウェアが組み込まれている。

このソフトウェアは上述のようなハードウェアソースからのデータを利用する。農家またはソフトウェアプロバイダがパートナーを組むハードウェアビジネス企業のいずれかが、そのハードウェアを保有することになる。他のデータ元は、農家から提供されるデータや第三者機関からのデータ、政府のような公共機関から得られるデータなどがある。

データが提供または分析される方法はソフトウェア次第で異なる。しかしほとんどのプログラムは現在コンピューターやタブレット、スマートフォンを使ってアクセス可能で、さらにカスタマイズのできるダッシュボードや、誰でもトラッキングできる様々なデータセットを備えている。

ソフトウェアが農家をサポートするような鍵となる意思決定は、土壌の水分含有量や気象予報、作物の健康状態といったデータからいつどの程度灌漑を行うかという意思決定や、収穫量や天気に基づいたデータから栽培や収穫の意思決定などだ。肥料に関するアプリケーションは、より農家の意思決定の方向性をを明確に指摘してくれる。土壌の栄養状態のデータにより、農家は必要なエリアだけに肥料を与えることで肥料にかかる費用を浮かせることができる。一方で収穫量は最大化することが可能になるのだ。

ビッグデータ分析は農家に圃場の問題点をも指摘してくれる。害虫の発生や干ばつの状況など、今まで人が目で見て気づいていたポイントを知らせてくれる。労働力不足が進む農業にとって、効率を高め物理的な人の力を削減してくれるビッグデータの可能性は、農業、特に大きなスケールの圃場において価値の高い物であろう。

 

農業ビッグデータの課題

農業の効率を高める機会はエンドレスなものに思える。なぜならば農家にとってこのマーケットには多くのオプションがあるからだ。しかしそういった機会があったとしても、産業が発展すれば課題は現れるのだ。

一つ明らかな課題としては、ターゲットとなる農家にとってのデータの採用の課題と、収集したデータをいかに農家に関連度が高く有益なものにするかという課題だ。農業管理の多くは、現在もExcelのようなスプレッドシートに打ち込んだり、紙とペンに頼っていたりするのだ。したがって農業ビッグデータを扱う企業は、農家の管理体制をスイッチさせるよう納得させればいいわけではない。ユーザーインターフェイスをより簡単に使いやすくすることや、ビッグデータへの投資の明らかなリターンを比較的短期間で得られることを保証できるようにする必要があるのだ。

一部の農家はテクノロジーに関してある程度知識のあったり、またビッグデータに関心を示したりしているが、多くの農家はゼロからのスタートとなる。そこで企業はどのようにテクノロジーの可能性をアピールしていけば良いのだろうか。

ビッグデータテクノロジー企業の中には、ターゲットをB2Bのビジネスにおいているが農家とインターフェイスで繋がろうと考えていない企業が多いということを念頭に置く必要がある。これはスケールの問題なのだろうか。

農家がセンサーのようなハードウェアを所有していない場所や、イメージやデータベースが存在していない場所でデータを収集することが、もう一つの問題点だ。データがどこから集められようと、アルゴリズムやテクノロジーを構築するときにデータを標準化することが求められる。

農業の進歩に影響を与えてしまうようなプライバシーのデータに関しても不安な点がある。現在の法規制や制限なしに農家とデータ分析プロバイダがデータのアレンジを実行することが、どの程度未来に生かされるのかは不明瞭だ。

 

AgFunderではこのテクノロジーのイメージをよりクリアな物にするため、8つの農業ビッグデータ企業へのインタビューを実施した。それらの企業は顧客に何を提供しているのか、ビッグデータをどのように定義しているのか、何を目指しているのか。これらをpart2の記事でお伝えしたいと思う。

part2はこちら
農業 x ビッグデータ!ビッグデータを農業に活かす企業に迫る part2

 

Link:https://agfundernews.com/what-is-ag-big-data5041.html

AgFunder-news-white_200px1

Pocket はてブ